介護士の詳細を解説

生活をする上で、サポートが必要な高齢者や障害者の毎日を支える介護士は、人生を支えるという意味で、大きなやりがいのある仕事です。今回は、介護士とはどんな仕事で、どんな働き方をしているのかなど、詳しく解説していきます。介護士の仕事内容に関心のある方は、ぜひ参考にしてみてください。

介護士とは

「介護士」とは、実は介護資格の正式名称ではなく「介護施設や介護事業所で、介護の仕事をする人」を指す言葉です。具体的な資格や定義は存在せず、介護初任者研修や実務者研修、また介護福祉士などの研修を修了した方や、未経験でも介護業務に従事する方など、介護スタッフの呼称としても用いられます。「介護士」の呼称は全国一律ではなく、介護スタッフやケアワーカー、ケアスタッフなど、介護施設によって異なります。

求人情報などを見ていると、呼称がバラバラで違和感を持たれる方もいるかもしれませんが「介護の現場で働くスタッフ=介護士」と覚えておくと良いでしょう。

介護士の働き方

介護士が活躍する場は多岐に渡りますが、その仕事内容や対象となる利用者の層は、職場によって異なります。
やりがいをもって働くためには、自分に合った職場を見つけることが大切ではあるものの、種類が多いため、それぞれの違いやどんな職場なのか分からないと悩んでいる方も多いと思います。ここでは、介護士の主な職場である「入居施設」「通所施設(デイサービス)」「訪問介護」について紹介します。

・入居施設
加齢や障害、認知症などにより、在宅生活が困難になった高齢者が入居する施設で、その種類は以下の4つに区分されています。

①介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
原則として、要介護3以上の要介護高齢者を対象にした生活施設で、終の棲家としても対応しています。
常時介護が必要で、在宅生活が困難な方に対して、日常生活のサポートや機能訓練などを提供しています。

②介護老人保健施設
介護が必要な高齢者に看護や医療が整った環境のもと、介護サービスやリハビリなどを提供し、在宅復帰を目指す施設です。病状が安定し、常時治療の必要はありませんが、在宅での生活に不安のある方が対象となります。

③介護療養型医療施設
療養や、医師による医学的サポートが必要な高齢者を対象とし、介護等の世話及びリハビリや介護、その他必要な医療ケア(痰の吸引や胃ろう、経鼻栄養、酸素吸引など)を提供する長期療養施設です。
2024年3月末をもって廃止することが決定しています。

④介護医療院
介護療養型医療施設の廃止後に、受け皿として誕生した「介護医療院」は、長期療養が必要になっても生活の場としての機能をもっています。
日常的な医学管理が必要な、重介護者の受け入れや看取りやターミナルケア、介護や日常生活の介護サポートなどを一体的に提供します。

・通所施設(デイサービス)
通所施設(デイサービス)は、在宅で生活している高齢者を対象に、入浴や食事、機能訓練やレクリエーションなど、日帰りでサービスを提供します。
同居されている家族のレスパイト(介護者の負担軽減)としての役割ももっています。
その他、通所系の介護サービスには、機能の維持回復訓練や日常生活動作訓練を行う「通所リハビリテーション(デイケア)」や、認知症の方を対象にした「認知症対応型通所介護」などがあります。

デイサービスは、比較的自立度が高い方が利用されており、基本的には日帰りでサービスの提供を行うので、日勤での働き方が中心となります。なかには、お泊りデイサービスもあり、こちらでは遅出や夜勤といった働き方をします。平日のみ営業しているデイサービスでは、土日祝日に休みがあり、休日関係なく営業されているデイサービスでは、スタッフが交代で休みをとることになります。

施設によっても特色はさまざまで、リハビリを中心にしたデイサービスやレクリエーションに力を入れているデイサービスなどもあります。朝から夕方まで、1日のスケジュールや時間が決まっているので、家庭と仕事を両立させたい方や、ワークライフバランスを大切にして働きたい方にもおすすめです。比較的、要介護度軽度の方が利用されていますので、介護職初心者や、夜勤に不慣れの介護職の方も働きやすいといえます。

・訪問介護
訪問介護は、在宅生活をする高齢者の自宅を訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問し、ケアプランに定められた介護サービスを提供することを言います。
仕事内容には、入浴介助や排泄介助などの「身体介護」、洗濯や掃除や調理などの「生活援助」、「通院等乗降介助」などがあり、得意分野を活かした仕事が可能です。訪問介護には、夜間帯に訪問介護員が自宅を訪問し、入浴や排泄、食事や安否確認などの介護サービスを提供する「夜間対応型訪問介護」もあります。

登録ヘルパーの場合、サービス提供の時間(週2回、1日1時間/週3回、1日2時間など)でシフトに入り、短時間で働くことができます。正社員ヘルパーの場合はフルタイムの常勤で働き、管理者やサービス提供責任者など、役職についていることが多いです。

残業が少なく、直行直帰もできる職場が多いので、家庭や育児などと両立したい方や、マンツーマンで寄り添ったケアがしたい方にピッタリです。訪問介護員として働くためには、介護職員初任者研修の取得が必要です。

介護士のやりがい

介護の仕事は「身体的な負担が大きく大変」というイメージがありますが、介護士ならではの大きなやりがいを感じるシーンがあります。ここでは、介護士のやりがいについて紹介します。

・感謝を実感できる
介護士は、身体的なケアや日常生活の支援を通じ、利用される方の「自分らしい生活」と「自立支援」を行う仕事です。日々のコミュニケーションや寄り添いを通じて信頼関係が構築され、時には利用される方の悩みや不安を共有することもあり、同時に心のケアも行います。利用者や家族から感謝されることも多く「介護の仕事をしていてよかった」とやりがいを感じることができるでしょう。また、利用者からの感謝だけではなく、介護者自身も「お世話をさせていただいている」という感謝を実感できる仕事でもあります。

・高齢者とのふれあい
利用される方と、楽しみや悲しみを共有できる点も介護士ならではのやりがいのひとつです。一緒に歌を歌ったり、テレビを見ながら世間話をしたり、昔話に花を咲かせたり、症状によっては会話がスムーズではない利用者もいますが、会話がなくても、寄り添うだけでコミュニケーションができ、信頼関係を築くことができます。
高齢者とのコミュニケーションを通じて、人生経験や価値観を知り、相手の気持ちに寄り添ったサポートが提供できるようになります。

・キャリアアップを目指せる
介護士の中には、介護の将来性について「家庭と仕事の両立は実現するのか」「生活していけるだけの給料が得られるのか」など、将来の展望を危惧する方も少なくありません。しかし介護の仕事はニーズが高く、仕事がなくなることは考えにくく、さらに安定した雇用が期待できます。また、キャリアパス構築や資格支援、ITの導入など、働き方改革や処遇改善が推進されています。

未経験や無資格からスタートしても「介護職員初任者研修」や「介護福祉士」などの資格を取得していくことにより、キャリアアップや、資格手当で給与アップを目指せます。介護職は「資格」と「経験」で、給与が上昇するキャリア制度が整い、働いた期間が評価に結び付くので、未経験スタートでもキャリアアップしやすい職種であるといえます。また、実務経験を重ねると「ケアマネジャー」へのポジションアップも目指せるので、非常に将来性の高い仕事といえるでしょう。

介護の仕事は、もちろん大変な部分もありますが、魅力も多く、とてもやりがいのある仕事です。
慢性的な人手不足の介護業界では、2025年には243万人の介護人材が必要になるといわれ、介護士はこれからの時代に欠かせない、非常にニーズの高い職種であるといえます。介護士の仕事に興味をお持ちの方は、この機会に介護士を目指してみてはいかがですか?

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