建築士と設計士の違いとは?


建築業界の仕事のなかに「建築士」と「設計士」というものがあります。いずれも建築物や建造物の設計を行う仕事で、求人広告などではあまり区別のないように見えますが、実際にはどのように違うのでしょうか?そこで今回は、建築士と設計士の仕事内容や年収についてなど、ふたつの違いをご紹介いたします。

「建築士」と「設計士」の違い

「建築士」と「設計士」の1番の違いは、資格の有無にあります。「建築士」は、国家資格である一級建築士や二級建築士の資格を保持していないと名乗ることはできませんが、一方で「設計士」という資格はありません。
ただし、実際は求人広告などで「設計士」の募集で「建築士」の資格が求められているケースも多く「設計士」と「建築士」は、同義で使われることも多々あります。少々ややこしいかもしれませんが、基本的には「建築士」の募集では、国家資格のない人が応募することはできません。「設計士」として、実務経験を積みながら「建築士」の資格取得を目指すのも一般的です。このことから「設計士」は「建築士」のたまごのような仕事、という解釈もできますね。

「設計士」の基本的な仕事内容

「設計士」のメインとなる業務は、建築物の設計図を作成することです。設計図を作成するまでには、クライアントの要望のヒアリングや施工会社との打ち合わせ、建設許可などの行政の手続き、それに施工が始まってからは現場管理や進行管理業務など、さまざまな業務が発生します。ただし「設計士」は「建築士」よりも扱える建築物の範囲が狭いので、実際は「建築士」と一緒に業務を進めていくことが多くなります。

取り扱いできる建築物の違いは?

「建築士」と「設計士」は、クライアントの希望をヒアリングし、建造物や住宅の設計、施工管理を行うのが主な仕事ですが、前述した通り、資格の有無により扱うことのできる建築物の範囲が違います。一級建築士、二級建築士、設計士の業務範囲は以下の通りです。

・一級建築士

取り扱い範囲に制限はなく、病院や高層ビル、商業施設などを含めた、あらゆる建築物の設計が可能です。

・二級建築士

高さが13メートル、軒下9メートル以下、3階建て以下の延べ面積が300平方メートル(木造の場合は1000平方メートル以下※例外あり)以下の建物であれば、取り扱いが可能です(※2023年6月時点。2025年4月以降は、高さ16メートル以下へと拡大される予定)。戸建住宅程度の規模であれば、木造や鉄筋コンクリート造、鉄骨造を問わず、設計することができます。

・設計士

30平方メートル以下(木造は100平方メートル以下)2階建て以下の建築物は、無資格で設計が可能です。これが資格のない設計士が取り扱うことのできる建築物の基準となります。 設計士は、資格がなくても設計可能な建築物を扱うか、建築士の補佐的なポジションで、クライアント対応や設計、事務仕事を行うのが一般的です。

年収の違いは?

「建築士」と比較すると「設計士」の平均年収は、低い傾向にあります。所属する企業の規模によっても大きく変わりますが「設計士」の場合は、400〜800万円程、一級建築士の資格を持つ「建築士」の場合は、およそ600〜800万円といわれています。

「設計士」からキャリアアップするためには?

「設計士」となるのに必要な資格はありませんが、専門的な知識が必要となるため、建築系の大学や専門学校で学んだ後に、設計事務所や住宅メーカーなどに就職するのが一般的です。一級建築士になるためには、少なくとも2年以上の実務経験が必要となるため「設計士」として実務経験を積みながら、最終的に「建築士」の資格の取得を目指すケースが多いでしょう。例外として、小規模の建物を扱う企業や、リフォームをメインとする企業などで、未経験から設計業務に携わることも可能となっており、そういった企業で勉強しながら経験を積み、キャリアアップや年収アップを狙うという道もあります。建築業界の仕事に憧れている方は、こうした「建築士」と「設計士」の違いを理解し、今後のキャリアについて考えてみてはいかがでしょうか?


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