建設現場では「雑工(ざっこう)」という職種をよく耳にしますが、雑工の具体的な仕事内容というのは、意外とはっきりされていません。しかし、この雑工の仕事は現場の工事をスムーズに進行させる上では、欠かせない人たちです。そんな雑工とは、いったいどのような仕事をするのでしょうか?今回は雑工の仕事内容について、詳しく解説いたします。
雑工とは?
雑工とは、簡単に言うと「建設現場における何でも屋さん」です。雑工は建設業における職種のひとつで、文字だけで見ると、なんとなく「いいかげんな・適当な」という感じに捉えられそうですが、決してそうではありません。雑工の「雑」は「色々な仕事が入っている」という意味です。
建設現場は、いわゆる職人たちの集まる場所です。専門分野に長け、その道のプロフェッショナルですが、その人たちとは違う、専門分野を必要としない仕事も建設現場には存在します。職人ほどの専門的な知識は必要がなく、細かい仕事が発生したとき、そこで活躍するのが「雑工」なのです。職人はその道のプロですが、それだけに細かい清掃などまでは、なかなか手が回りません。そういった細かい作業を、現場監督の指示の下で雑工たちが行ったりするのです。
雑工の仕事内容とは?
①現場の清掃
建築現場や解体現場では、細かい粉塵やガレキ、大小様々なゴミなどが必ず出ます。そのようなゴミなどを放置しておくと、作業員が足を躓いたり、ガレキに足を引っかけて転倒するなど、業務災害につながるおそれがあります。そういった危険な要因を取り除くため、雑工は清掃を行っていきます。建設現場や解体現場などのゴミは、多いときでは1日に20Lの袋が15袋以上も出る現場もあります。
②倉庫内作業
倉庫内作業では、荷物の搬入や出荷作業、荷物の仕分けや検品・梱包・ピッキングなどを行います。
建築現場だけではく、働く場所によっては食品や衣類のほか、植物・家電・家具など、荷物の種類は様々なものがありますが、建築現場においての倉庫内作業は、主に現場で使われる道具や荷物などの搬入出や仕分けなどが主な作業になります。
③養生の施行
建設現場で鉄骨を加工する場合、ガス溶断などを行ったりします。このとき、スパッタという火花が周辺に飛び散ったりしますが、その際に溶断付近に不燃材のシートなどを持ち、スパッタが周りに飛び散らないように養生したりするのも雑工の仕事です。また、戸建て住宅などで補修を行う際、周辺に粉塵が舞い散らないよう、雑工は周辺に養生シートを張り、汚れを未然に防いだりします。
④運搬作業
雑工は、資材運搬も行います。職人から指示された場所へ資材を運搬し、必要な場所へと移動させます。運搬物は軽い物から重い物までさまざまあり、現場により異なりますが、重い物だと約20キロもの重量物を運んだりもします。重量にもよりますが、手で持ち運んだり運搬機器を使って運んだりします。雑工の業務の中では、この業務が一番の力仕事となります。
⑤職人の補助
職人が行っている作業の補助を行います。物を支えたり、職人が作業に専念できるよう、周囲にある不要物を整理整頓したりします。
雑工とは、建築現場において軽作業がメインとなる重要な仕事です。求人においても、雑工はいつでも募集が多い職種で、募集年齢の層も幅広く、若い人材はもちろん40代~50代の方々もたくさん活躍しています。
普段なにげなく街を歩いていて、目の前に自分が工事に携わった建物が現れたとき「この建物は自分が関わった建物なんだな」と誇らしく思えるこの仕事は、ものづくりに興味のある方や、いろいろな職人の作業を間近で見て、将来の職人を目指す方に向いている職種です。これから建築業界へと転職するにあたって、まずは雑工の経験をしてみるのもいいですし、職人になるためのワンステップと捉えて、この仕事に就くのも良いですね。
plusworkが、そういった方々のお力になれば幸いです!