建築士が知っておきたい最新の法律改正


令和4年6月13日「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律案」の関連法案として、4号特例改正(縮小)法案が可決し、17日に公布されました。 そこで今回は、この最新の法律改正について詳しくみていきたいと思います!

今回の法律改正、何が変わったの?

これまでは4号建築物に区分されていた一般的な木造戸建て住宅は、4号特例に該当していました。4号特例というのは、戸建て住宅のような小規模の木造建築物であれば、建築士が設計した建物において一部の審査を省略できるというものです。その省略できる審査の中には、建物の強度などを計る構造計算の提出も含まれていますが、今後はこの4号特例が廃止され、住宅を含むほぼ全ての新築の建築確認と検査が必要となります。つまり、今までは建築士が設計した建物であれば、構造計算が無くても強度が考慮されているという事で家を建てられたのですが、これからはどんな家であっても、構造計算を元にした強固な作りの家しか建ててはいけなくなったというわけです。

改正後のメリット

これまでの建築基準法では、耐震構造計算書の偽装など、多くの審査不備が発覚したり、設計不備などの弊害があったり、省エネ適合住宅の構造強度の見直しの必要性が生まれたりしました。不適切な設計や工事監理が行われ、構造強度不足が明らかになる事案が発生する原因にもなっています。また省エネ設備の設置といった省エネ化に伴って、建築物が重量化し、壁量が実態に合わなくなり、地震時に倒壊するリスクのある建築物もありました。このような深刻な問題により、法改正が行われました。これからは、家の構造強度が十分であるかどうかの審査を受けて初めて建築することができるようになるので、瑕疵トラブルを未然に防ぐことができ、どの会社に頼んでも高いラインの耐震性能が保証された住宅に住めるようになるので、施主側にとっては大きな安心につながります。

改正後のデメリット

では、改正することによって逆にデメリットはないのでしょうか?デメリットを挙げるとするならば、これまでは省略されていた構造関係の資料の提出が必要になってくることです。まずは構造計算に費用が掛かります。一般的には30〜50万円程度の資金が構造計算には必要となってきます。各図面間でも整合性が重視されるために、これまでに比べても、図面作成においてより手間と時間がかかることになります。これによって構造計算の費用がコストアップしてくるのは否めません。また、申請にも時間がかかるため、余裕をもってお家づくりのプランを立てた方が良いでしょう。


いよいよ2025年に迎える建築基準法の改正は、家づくりを進める職人にも、家づくりを計画している方々にも、大きな影響を与えます。建築基準法の改正により、省エネ性や耐震性といった住宅の性能は上がるため、家づくりをするときの安心材料は増えることでしょう。一方で、建築コストが上がるだけでなく、これまでよりもかかる期間が長くなることも考えられるため、家づくりの計画には余裕をもって取り組むことをおすすめします。また、この法律改正によって建築業界のあらゆる職種においても仕事の量が増える分、またやりがいにもつながることとなるでしょう。
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