電気工事施工管理技士の1級と2級の違い

施工管理技士の国家資格のひとつに「電気工事施工管理技士」という分野があります。

試験は1級と2級に分かれていて、取得後は取り扱える業務範囲が違います。
今回は施工管理技士の資格のひとつである「電気工事施工管理技士」の国家試験について、試験内容や1級と2級の違いを紹介していきます。

電気工事施工管理技士1級・2級の違い

電気工事施工管理技士とは、変電・配線・照明・送電設備など電気工事の監督として、施工の計画を作成することから工程や安全、品質の管理を行う人を指します。
ビルやマンション建設において、電気工事はなくてはならない仕事であるため、非常に需要の高い職種です。
電気工事施工管理技士には1級と2級があり、その違いは次のとおりです。

・1級
特定建設業における「営業所ごとに配置される専任の技術者」および、現場に配置する「監理技術者」として認められる
※特定建設業とは、元請業者として受注した工事を下請に出すとき、総額が4,000万円以上で、建築一式工事の場合は6,000万円以上になるものを指します。

・2級
一般建設業の許可を受ける際、必要となる「営業所ごとに配置される専任の技術者」および、「建設工事における主任技術者」として認められる
※一般建設業とは、元請業者として受注した工事を下請に出すとき、総額が4,000万円未満になるものを指します。

電気工事施工管理技士 1級・2級の試験内容

電気工事施工管理技士の試験内容について、1級・2級に分け、どちらも令和元年度の例で紹介します。

・1級の試験内容

学科試験(マークシート方式)
● 電気工学、電気設備、設計・契約関係、関連分野、工事施工、施工管理、法規
● 実地試験(記述式)
● 施工経験(工程管理)、施工管理法(安全管理(語句の説明)・ネットワーク工程表)、電気設備全般、法規(建設業法、電気事業法)

・2級の試験内容

学科試験(マークシート方式)
● 電気工学、電気設備、施工管理法、関連分野、法規
● 実地試験(記述式)
● 施工経験(安全管理)、施工全般(機器の名称、機能、ネットワーク工程表、用語・語句の説明)、法規(建設業法、電気工事士法、労働安全衛生法)
● ※令和3年度より、施工管理技術検定の試験内容が変更されます。

「実務経験」として認められる工事種別

電気工事施工管理技士を受検するには、学歴または資格に応じた実務経験が必要です。
この実務経験とは、電気工事の施行に直接関わる技術上すべての職務経験のことをいいます。
職務経験とは、受注者(請負人)として施工管理、発注者側における現場監督技術者、設計者等による工事監理などを指します。
実務経験として、認められる・認められないの具体的な例は次のとおりです。

・実務経験として認められる工事種別

構内電気設備工事、発電設備工事、変電設備工事、引込線工事、送配電線工事、照明設備工事、信号設備工事、ネオン装置工事、電車線工事です。それぞれの工事の経験では試運転、調整、なども含まれます。

・実務経験として認められない工事種別

発電機・変圧器等の設計・製造・据付・保守・点検・メンテナンス、電機・電器メーカーの機器製造業務、
機器部品等の修理工事・保守・点検・メンテナンス、電話交換機設備、インターホン設備、火災報知設備、拡声設備等の通信設備工事
電気通信工事として実施した関連工事(信号設備工事、計装工事、LAN工事は除く)
管工事として実施した関連工事
機械器具設置工事として実施した関連工事
消防施設工事として実施した関連工事
熱絶縁工事として実施した関連工事
土木工事業、建築工事業、大工工事、左官工事、とび・大工・コンクリート工事、屋根工事、石工事、タイル・れんがブロック工事、鋼構造物工事、鉄筋工事、舗装工事、板金工事、しゅんせつ工事、ガラス工事、塗装工事、防水工事、造園工事、内装仕上工事、さく井工事、建具工事、水道施設工事、清掃施設工事 として実施した工事

高い能力が求められる電気工事施工管理技士

電気工事施工管理技士の仕事は、資格がなくても従事することができますが、資格を取得することにより監理技術者や主任技術者といった、責任あるポジションで働くことが可能となります。また、資格を持っていると、資格手当や基本給アップなどにより収入があがることもあります。既に現在、電気工事関連の業務に就いている方は、しっかりと経験を積んだ上で、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか?

条件を選んで検索

条件から探す最大60個まで選択できます

京都府

大阪府

兵庫県

滋賀県

奈良県

和歌山県

三重県

line
line