建物の壁の黒ずみやひび割れ、はがれなどを修繕し、耐久性を高めるための外壁工事ですが、雨や紫外線などにより、日々ダメージを受けている建物を長く利用するためには、必要不可欠な工事です。
そんな外壁工事にも、種類があるのをご存知ですか？今回は、外壁工事の種類とともに、流れや目的について解説します。
建物の壁を補修し改善する外壁工事
外壁工事とは、建物の屋外側の壁に関する工事のことを指します。建物の壁には塗装がされており、時間が経過するとともに、雨水や紫外線などの影響を受け、劣化していきます。外壁の劣化は、見た目の印象が悪いだけでなく耐久性も同時に低下します。外壁の劣化は、建物本体の劣化にもつながっていて、ひいては居住性が悪化することにもなりかねません。こういった状態を防ぎながら改善するためにも、外壁工事は約１０年に１度のスパンで実施することが望まれます。
外壁工事の目的
外壁工事の主な目的については、以下の３項目が挙げられます。詳しく見ていきましょう。
①耐久性の向上
外壁の塗料は美観のためだけでなく、耐久性の向上にも役立ちます。塗料は種類により耐久性が異なり、耐久性が高いものから、フッ素系塗料・シリコン塗料・ウレタン塗料・アクリル塗料という順になります。
現在広く普及しているのは、コストパフォーマンスに優れたフッ素系塗料で、雨や風や紫外線の影響から、外壁を守るために用いられています。
②防水性・透湿性の向上
「外壁の塗膜は、建物を一枚の膜で覆うこと」とも言い換えられます。水分や湿気に弱い外壁であっても防水性を高めることができ、雨漏りを防いで、長持ちする建物へと強化することができます。水分を遮断し湿気は通す性質の塗料を用いると、透湿性が高まり、結露を防ぐ効果も期待できます。
③断熱・遮熱効果
断熱効果の高い塗料を用いることにより、冬は暖かく、夏は涼しいといった快適な空間を作ることができます。遮熱効果のある塗料と組み合わせれば、紫外線の影響を抑えて、劣化を防げるだけでなく、室内の温度変化を軽減することもできます。
外壁工事の工法
外壁工事は主に「塗装工事」「カバー工法」「張り（取り）替え工事」の３種類に分けられます。それぞれの目的や工法について具体的に見ていきましょう。
①塗装工事
塗装工事とは、既存の外壁の上から新たな塗料を塗る工事のことを言い、その一番の目的は防水です。雨水や紫外線などの外的刺激により、塗装の防水性や耐久性は日々劣化していきます。この状態が長く続くと、雨漏りやひび割れなどに発展してしまうリスクがあります。建物の美観を向上し、耐久性を維持するためにも、塗装工事によるメンテナンスは欠かせないものといえます。
②カバー工法
カバー工法とは、既存の外壁を撤去せず新たな外壁を貼りつける工事のことです。カバー工法では、一般的に金属系のサイディングボードを使います。建物内の雨漏りが進行していない場合に行うことが多く、既存の外壁を撤去しないので、費用は比較的安価に設定されています。
③張り（取り）替え工事
張り（取り）替え工事とは、既存の外壁を撤去し新たな外壁を張りつける工事です。外壁の塗料がはがれ、そこから雨水が浸入することにより、外壁が劣化して雨漏りなどが発生した場合は、塗装工事だけでは修繕することができず、外壁そのものを取り替える工事が必要となります。
一般的な張り（取り）替え工事は、サイディングボードの張り替えです。サイディングボードとは、工場であらかじめ成形された外壁板のことです。外装材として広く普及しており、セメント質と繊維質を混ぜ合わせた「窯業系サイディング」は、サイディングボードの内部の湿気によって、ひび割れが起きやすい傾向があります。そのため、ひび割れを起こしている既存のサイディングボードを取り外し、新しい物に取り替えます。
さらにサイディングボードの隙間を埋めるためのコーキングも、経年の劣化により、ひび割れが生じます。コーキングのひび割れは雨漏りにつながるため、張り（取り）替え工事の際、見落とさず修繕する必要があるでしょう。また、張り（取り）替え工事では、セメントで作られたモルタル外壁をサイディング外壁に変更したり、タイル張りにしたりと、見た目を大きく変えることができるため、リフォームの感覚で行われることもあります。
外壁工事は、快適な居住性を保つためにも必須
単に塗料を塗るだけというイメージを持たれがちな外壁工事なのですが、実際には多くの工程があり、工期もそれなりにかかります。外壁工事を行うことにより、建物の耐久性が向上し、室温や湿度を保つことができるため、居住空間の快適さを改善・維持することにつながります。手を抜かずに。各工程を丁寧に行うことが、長持ちする建物に仕上げるコツです。このように、とてもやりがいのある外壁工事の仕事に興味のある方、plusworkで求人検索をしてみてはいかがでしょうか？
