小さな島も多い日本では、島と島をつなぐことにより、人との交流や物流などがスムーズになり、もはや橋梁は人々の生活において必要不可欠です。今回は、土木工事で手掛ける橋梁の役割や、工事の特徴についてご紹介していきたいと思います!
そもそも橋梁とは?
橋梁とは、海や川や渓谷などを渡るために架けられる構造物で、いわゆる「橋」のことを言います。桁橋やつり橋、アーチ橋、ラーメン橋などさまざまなタイプがあり、これらの橋を架ける工事を『橋梁工事』と呼びます。この『橋梁工事』には、橋を架けるだけでなく、橋梁のメンテナンスや補修工事なども含まれます。
橋梁の役割とは?
①隔てられた地をつなぐ
日本には数多くの島があり、海の向こうにある地域もあります。そのため、橋がなければフェリーなどの船舶で移動しなければならないこともあります。そんな隔てられた土地をつなぐのは、橋の大きな役割と言えるでしょう。
②安全かつスムーズな交通移動の実現
橋がなければ、島へ渡るためには船などでの移動が必要となります。そうなると、渓谷を渡るためにはかなりの時間もかかってしまう他、何らかの事故も多くなるなどのリスクまで伴います。そのため、橋を架けることにより、安全かつスムーズな交通移動が実現でき、より快適に移動できるといった役割も果たしています。
橋梁工事の種類
ひとくちに橋梁工事といっても、さまざまな工法があります。それぞれ見ていきましょう。
①ベント工法
橋梁工事の中で、一般的な工法です。工期も短くでき、工費もリーズナブルというメリットがあるため、採用されやすいです。上部工をベントで支え、移動式のクレーンで架設する工法です。
②ケーブルエレクション工法
桁下が谷や流水エリアなどにより、ベントの設置が困難なケースで、両岸にアンカーや鉄塔の設置ができる場合に採用される工法です。鉄塔の設備を移動式のクレーンなどで組み立ててから、架設用の吊り設備を建てたあとで、鉄塔からケーブルを貼り、架設部材を吊り下げながら橋梁を架設していきます。ただ、耐風設備を備える必要があり、強度計算や形状管理など、高い技術が求められる難易度の高い工法となります。
③送り出し工法
流水や道路、鉄道などがあり、桁下にベントの設置ができないケースで採用される工法です。架設現場に隣接したところに、架設機材と手延機を組み立てるため、ある程度のスペースが必要です。また仮設備が比較的多いので、その分、工期も長くなる傾向にあります。
④トラベラークレーンベント工法
桁下にクレーンが設置できない場合に採用される工法です。桁上に、トラベラークレーンが走行するための設備を設け、運搬の台車にて仮設部材の運搬を行います。桁の架設やトラベラークレーンの前進を繰り返し、橋梁の架設を実施していきます。工期も長くなりやすく、多くの仮設備も必要となるでしょう。また応力状態やたわみなどの影響も考慮しなければならず、熟練の技術が求められます。
⑤フローティングクレーン工法
工事の岸壁や現場付近で、大きなブロックを組み立てた部材を加工したり、海峡にある現地まで運搬し、フローティングクレーンで橋体を一括で架設するという工法です。橋桁の支えを必要としない場合もあり、ほぼ完成形に近い状態で架設できます。そのため、工期が短縮できるのも特徴的です。
橋梁ができるまでの流れ
①土台の上部分の本体を作っていく工事のことを上部工といい、その手順をご説明します。
・橋梁の架設工
橋桁を橋脚の上部に設置します。
↓
・床版工や橋梁付属物工
橋桁の上部にコンクリートを用いて、床板を作成し、さらに側壁なども同時に作っていきます。
↓
・舗装工、設備工
コンクリートが固まったあとで、床板の上をコーティングし、アスファルト舗装を実施します。
↓
・その他
標識や照明など、走行に必要となる設備も整えれば、上部工が完成します。
②橋の土台を作る工事のことを下部工といい、次はその手順をご説明します。
・基礎杭工
橋を支えるため、地中に杭を打ち込みます。
↓
・土留め工
地盤を掘削したあとに土が崩れないよう、杭を囲むカタチで矢板を設置します。
↓
・掘削・支保工
掘削し、矢板の支えとなる梁を設置します。
↓
・橋脚構築工、埋め戻し
埋め戻し杭の上に、鉄筋と土台の型枠を組み立てたあと、コンクリートを流し込みます。コンクリートが固まれば型枠を外し、その上に橋桁を設けます。
↓
・その他
掘削した穴を埋め戻し、下部工が完了します。
橋梁は私たちの生活や社会にとって、大変重要な役割を果たしているものです。そのため、橋梁の建設工事に携わることは、大きな意義ややりがいを感じられるでしょう。plusworkでは、そんな橋梁工事での求人も掲載中です!企業によって、募集する要項もさまざまですので、ぜひ自分の条件にあった求人を探してみてくださいね!