宮大工って大工と何が違う?


みなさんは「宮大工」という職種をご存知ですか?
宮大工は通常の大工とは異なり、神社や仏閣といった、歴史的建造物の建築や修繕が主な仕事であるため、歴史が好きだったり、仏閣が好きな人にとっては、最適な職業だといえます。しかし、通常の大工ならともかく、宮大工になるためにはどうしたらよいのか分からない人も多いのではないでしょうか?そこで今回は、宮大工と大工の違いや、宮大工になるための資格や仕事内容、年収などをご紹介いたします。宮大工に興味のある方は必見です!

宮大工の仕事内容

宮大工は、神社や仏閣の建築と修繕がメインの業務ですが、住宅などの一般建築物に携わる場合もあります。宮大工の大きな特徴は、木組みによる建築技法を用いることで、神社や仏閣の建築や修繕を行う点です。古い日本の建築物は、おもに木組みによって建築されていましたが、手間と時間がかかるため、用いられることが少なくなりました。現在では、重要文化財である神社や仏閣、また城などが木組みによって作られることが一般的となっていて、一般的な建築技法の場合、釘などによって木材に大きな負荷がかかってしまいます。しかし、木組みを用いることにより、木材にかかる負荷が抑えられるため、建築物を長期間存続させることが可能となるのです。また、木造建築物は定期的なメンテナンスが必要となるため、宮大工が在籍する工務店が承るケースが一般的だといえます。

宮大工の年収

宮大工の年収は、見習いの場合で250万~350万円程度が相場だといわれています。ただし、一人前の職人にもなると600万円程度となり、中には年収1,000万円を超える宮大工もいるので、技術と経験によっても大きく変動するものだといえます。宮大工の仕事は、実績のある工務店に依頼されるケースが多く、独立開業してからすぐに仕事を得るのは難しいでしょう。また神社や仏閣の建築・改修だけでなく、一般住宅に関する依頼を受ける工務店も多いため、その技術をさまざまな場面で活かすことが可能です。

一般的な大工との違い

宮大工と一般的な大工の違いは、大きくふたつあります。1つ目は、木組みによる伝統技法を用いて手加工で継手や仕口を適材適所に配置する点で、宮大工の基本的な建築技法は、一般的な大工と大きな違いはありませんが、木組みを中心とした木造建築に関する高い専門知識とスキルが宮大工には求められます。精巧な建築物が多いうえに、かなり細かい作業が要求されるので、高いスキルだけでなく、集中力も必要となります。2つ目の違いは建築の知識に加えて、宗教学や歴史、そして物理学に関する知見が必要となる点です。木造建築では、木材同士の力のかかり具合を計算し、設計する必要があるので、正確な図面を引ける能力が必要です。そのため、宮大工として一人前になるには、相応の時間と経験が必要です。

宮大工になるための必要な資格

宮大工になるための特別な資格は、特にありません。しかし、持っていると有利になる資格が「建築大工技能士」です。建築大工技能士とは、木造建築に必要な技術を認定する国家資格で、各都道府県の職業開発能力協会が開催する技能試験に合格することによって、資格が得られます。建築大工技能士には1~3級まであり、特に1級は木造建築のスペシャリストとして、高い技術や神社・仏閣についての知識などが必要となります。建築大工技能士3級の試験においては実務経験が不要ですが、1級と2級は学歴などに応じて、必要な実務経験が設定されています。(専門学校では2級までが取得可能)ちなみに、1級で実務経験だけの場合は7年、2級合格後では2年、3級合格後では4年が条件です。合格率は各都道府県の職業開発能力協会によって異なりますが、1級の場合は30%程度だといわれています。


今回は宮大工についてお話いたしました。大工にもいろいろな種類があり、これから大工を目指す方は、どんな建築物に携わりたいか、自分のやりたいことと照らし合わせながら検討されることをおすすめいたします。
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