建築系の求人情報を見ていると「施工管理」という言葉をよく目にすることがありますよね。施工管理とは、実際にはどんな仕事なのでしょうか？今回は、建設系の７種類の施工管理技士と、施工管理技士が行う仕事である４大管理についてご紹介いたします。
施工管理の種類
施工管理と混同される言葉として「設計監理」がありますが、設計監理とは、建築士が設計図通りに工事が進むように監督する仕事であり、ここで紹介する施工管理とは、施工管理技士が工事を滞りなく、かつ安全に進めることができるように管理する仕事のことを指します。はじめに、建設系の施工管理である７種類についてご紹介していきます。
①建築機械施工管理技士
建設機械施工管理技士は、施工管理技士資格のなかでも最も古くからある資格です。ブルドーザーや油圧ショベルなど、建設現場で活躍する機械を扱うスペシャリストで、建設機械施工管理技士を取得すると、現場での指導や監督をはじめとする業務を、主任技術者として施工管理することができます。
②土木施工管理技士
土木工事自体にライセンスは必要ありませんが、土木施工管理技士を取得することにより、施工計画の作成などに携われるようになります。また、現場で主任技術者や管理技術者になることが可能となります。
③建築施工管理技士
建築施工管理技士は、建築現場における関係会社を統括するための資格です。工事日程の調整や工程管理などは、細かい配慮が求められる仕事であり、多くの人と関わる事から、実務経験と高い統率力が求められる仕事と言えます。
④電気工事施工管理技士
電気工事施工管理技士とは、基本的な電気工学に関する知識と、施工管理の方法と電気の関係法令をマスターした人に与えられる資格で、取得すると電気工事の管理や監督をすることが可能となります。
⑤管工事施工管理技士
管工事施工管理技士は、ダクトや冷暖房設備、下水道配管や浄化槽設備などの建築物の配管に関する仕事を受注するための資格です。
⑥造園施工管理技士
施工管理技士の資格のなかで最も合格率が低く、最難関だとされるのが造園施工管理技士です。造園工事の主任技術者や監理技術者になることが可能で、１級を取得すると、自治体が発注する仕事を請け負うこともできます。
⑦電気通信工事施工管理技士
電気通信工事施工管理技士は、2019年に30年ぶりに新設された新資格です。取得すれば、携帯電話やインターネットに関する電気工事の主任技術者や、監理技術者として働くことが可能となり、こちらは発足したばかりの注目すべき資格と言えるでしょう。
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施工管理の４大監理とは
施工管理技士が現場でおこなう管理業務は、大きく４つに分類する事ができます。これを４大管理と呼びますが、４大管理の内容をそれぞれ詳しくみていきましょう。
①工程監理
工程管理とは工事全体のスケジュールを把握し、建設現場がどのように進んでいるのかを状況把握したり、日程を調整したり、必要に応じて人員を補填したりする仕事です。クライアントへの引渡し日を守るためにも、現場を統括する施工管理技士にとっては特に重要な仕事です。
②原価監理
原価管理では工事に求められる品質を確保しつつ、自社への利益も確保する必要があり、バランスを考えながら人員の配置や材料の仕入れをする経験・知識が求められます。施工管理を受注した企業にとっては利益に直結する仕事になるので、こちらも非常に重要な業務です。
③品質監理
品質管理は、工事で使用する材料が法に定める基準を満たしているかを確認した上で、材料の規格や施工方法の適性を判断し、施工品質などを関係会社に指示するという仕事です。品質を証明するため、工事の施工状況を記録写真などで残す場合もあります。
④安全管理
安全管理とは工事が終了するまでの間、現場で作業をする作業員や現場に出入りする工事関係者に、怪我や事故が起きぬよう環境を整える仕事です。施工現場では危険物などの取り扱いもあるので、点検や貯蔵方法をチェックし、常に安全管理に務める必要があります。高所作業での手すりの設置なども、安全管理の仕事に含まれます。
施工管理技士になるために必要なものとは
建設工事には、たくさんの関係会社が関わります。現場で作業する業種だけでも、内装・塗装・左官・基礎・電気・空調などの業種があり、関係企業を統括する施工管理技士には、高いコミュニケーション能力と現場を円滑にまわせるリーダーシップが求められます。現場で施工する企業の他にも、設計者や発注者とも関わっていく立場なので、正確に設計者の意図を汲み取るといったヒアリング能力も必要となるでしょう。
施工管理技士として活躍するためには、現場での経験はもちろん重要です。必須ではないですが、基礎知識を習得するためにも施工管理技士の国家資格を取得するのが近道です。施工管理技士は、法律で工事現場に配置することが義務付けられているため「専任技術者」「主任技術者」「監理技術者」になることができる施工管理技士は、企業側からも非常に重宝されます。施工管理の仕事をしていく上で、資格取得によるキャリアアップも目指してみるのはいかがでしょうか？
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